ChatGPTで“自分の未来”を100通りにシミュレーションしてみた もし、あなたが「100人の自分」と出会えたら?
はじめに:未来は“選ぶ”ものか、“作る”ものか?
ある日ふと思ったのです。
「自分の未来って、本当にひとつしかないんだろうか?」
もちろん、現実の時間軸は一本しかない。過去も未来も一方向にしか流れないというのが、物理的な世界の大原則。でも心のどこかで、私たちは知っている気がします。「もう一人の自分」がどこかにいることを。
あのとき別の大学に行っていたら。
転職のチャンスを掴んでいたら。
起業していたら、結婚していなかったら、あるいは、もっと大胆な行動をしていたら──。
そんな「if(もしも)」の未来たちを、いまのテクノロジーなら描けるんじゃないか。しかも、“AIと一緒に”。
ということで今回は、「ChatGPTに100通りの自分の未来をシミュレーションさせてみたらどうなるのか?」という、やや狂気じみた試みに挑戦してみました。
なぜ“未来をAIに描かせる”のか?
これは占いではありません。
これは自己啓発でもありません。
ましてや予言でもありません。
AIを使って未来を「創造」するということは、言い換えれば「可能性を思い出す」作業です。
人間は、予測の生き物です。私たちは1日のうち、何百回、何千回と「次に何が起こるか」を無意識に予測して行動しています。その予測のスケールを1日から10年、20年に広げるとどうなるか? 答えはこうです。
AIに“未来の予測ゲーム”を一緒にやってもらえる。
ChatGPTはただの言語モデルではなく、過去の膨大な知識とパターンに基づいて「それっぽい未来」を編み出すプロフェッショナルです。つまり、「ありえそうな未来の設計図」を瞬時にいくつでも描ける“想像の共犯者”なのです。
ルール:未来のシミュレーションに必要なもの
今回、私が行った未来シミュレーションには、いくつかの“縛り”を設けました。
① 現在の自分をベースにする
「何者にもなれる未来」とは言っても、ベースがなければただのファンタジーです。私は現在、AI関連サービスを運営しています。つまり、AIの知識、ビジネス経験、そしてある程度のITスキルを持っています。
この“現在地”を明確に設定し、そこから派生する可能性をAIにシミュレーションさせました。
② シナリオはすべて“現実的な範囲”に限定
タイムトラベルも超能力もナシ。仮想通貨で一夜にして大金持ち──なんてシナリオも今回は除外。あくまで「地に足のついた未来」のみ。つまり、“現実に起こりうるかもしれない未来”だけを対象にしました。
③ 100通りの未来すべてに“決定的な分岐点”を設定
「一つの決断が人生を大きく変える」というテーマのもと、100通りすべてに「キーとなる選択肢」を挿入。AIにはそれぞれの未来がどう展開するかを詳細に描かせました。
結果:ChatGPTが描いた“100人の自分”
【Case 01】副業として始めた「AI教育チャンネル」が大バズリし、教育系YouTuberに
ある日、試しにChatGPTを使ったAI教育のYouTube動画を公開。それが徐々にバズり、気づけば週1回の講義が全国の小学校に広まっていく──という未来。
「教育」と「AI」というテーマは、社会課題とテクノロジーの接点であり、AIにとっても“共感しやすい”シナリオなのだと気づかされました。
【Case 17】「AIと農業」をテーマに田舎へ移住し、スマートファーム事業を立ち上げる
東京のビジネス中心生活に疲れた私は、ふとしたきっかけで農業とAIの融合に可能性を感じ、岐阜県の山間部へ移住。ドローン、IoT、ChatGPTを使った農作業サポートを提供し、「テック農業×地方創生」の成功事例になるという展開。
ChatGPTは「環境変化」に強い未来をよく描く傾向がありました。移住・転職・家族の変化など、人生の大きな節目にテクノロジーが絡む物語が多く生まれました。
【Case 42】“AIカウンセラー”として精神科医と提携し、感情解析の新サービスを開発
私のAI事業が進化し、「声のトーン」や「文章の構成」から人のメンタルを可視化する感情解析AIを構築。臨床心理士や精神科医と連携し、AIが“話を聞いてくれる時代”の火付け役になる──という未来。
AIが“話を聞く側”になることで、人間が孤独から解放されるという発想は、ChatGPTが得意とする「感情分析」の分野に深く根ざしています。
【Case 73】自分の“死後”の人格をAIで残すプロジェクトに参加
一見ブラックミラー的なこの未来。私は、自分の全チャット履歴、文章、音声データをAIに学習させて、「死後も会話ができる自分のデジタルコピー」を構築。人々は“故人と会話する時代”の倫理と実装に直面することに。
ChatGPTは「永遠」や「死」をテーマにしたとき、驚くほど冷静かつリアルな未来像を描き出します。これは人間よりも“死を恐れない存在”だからこそ可能なのかもしれません。
考察:AIが“語る未来”は、実は“人間の無意識”
ここで興味深かったのは、ChatGPTが提案する未来の多くが、実は「私がどこかで一度は考えたことがあること」に近いという点です。
つまり、AIが語った未来とは、単に“ありえそう”なのではなく、
「ありたい」と思っていたのに忘れていた未来
だったのです。
それはまるで、夢を思い出すような作業でした。ChatGPTは私の言葉や設定から“感情の微粒子”を拾い上げて、「こんな未来を望んでいたんじゃない?」と差し出してくれるのです。
この実験が教えてくれたこと
未来とは“一本の道”ではない。
そして、選択とは“運命の分岐”ではなく、“創造の開始”なのだと、今回の100通りの未来が教えてくれました。
また、AIとの対話を通して気づいたのは、
未来のイメージを言語化する力が、自分を一番動かすということ。
私たちは「明日どうなるか」を予測するのは得意でも、「10年後どうなりたいか」を描くのはとても苦手です。でもそれを、AIという想像力の補助輪を借りれば、少しだけ得意になれるのです。
終わりに:あなたも“もう一人の自分”に会ってみませんか?
もしかしたら、あなたの中にもまだ言語化されていない“100通りの未来”が眠っているかもしれません。
一歩踏み出せなかったあの日の選択
やってみたかったけど、できなかった挑戦
「自分には無理だ」と決めつけていた未来
ChatGPTは、その扉をノックする鍵を、あなたの手に渡してくれる存在かもしれません。
「AIに未来を語らせる」という行為は、
“希望の再構築”なのです。
未来は、予測するものではない。
未来は、問いかけることで動き出す。
次は、あなたの番です。
あなたはChatGPTに、どんな「自分の未来」を描かせますか?